inside out


 クレームが入ったのでドラレコ動画の解析ヨロシク、と管理者に頼まれた。端的に「自分でやればぁ?」なんですがその能力すらないのなら止むを得ないですねという話。能力がないのになんで管理者なの、という展開は退屈だしどうでもいいので置いといて、せめてSDカード抜くくらい出来るダロとは普通に思うしコッチ忙しーんで抜いといてって伝えたんだけど。

 荷降ろしを終えて車に戻ると、皆そそくさと退勤してて⤵まあ今に始まったことじゃないしラスト出なきゃなんないのでクレーム入った車乗って帰った奴に駐車場の場所だけGoogleMapでピンしてスクショ投げて、と伝えてスタート。照明の落ちたATMの前にある場所で作業しようというその時に外国人と思われるおばちゃんから声を掛けられた。

 「ATM閉マッチャッタ、財布ナカ、鍵モ、ドウシタライイ?」

 (´・ω・`)知らんがな…

 「ナカニ人イマセンカ」いませんよ、皆終わったらそそくさ帰っちゃうんで。取り敢えず作業を終わらせて事情を訊く。入ったらもうすぐATMが閉まるアナウンスが流れてお金は下ろしたが、閉じ込められると思って慌てて出たら扉のロックが掛かり、そこでバッグごと置き忘れたことに気付いた、と。

 閉じ込められるワケないじゃん、って思ったけど。

 取り敢えず、連絡先というか、業務的な報告として、端末を取り出してコールセンターへ掛けた。私の仕事とはほぼ関係のないことなのでどうかなとも思ったが、ATMに緊急連絡先が一切表記されてなかったので。こういう状況で困ってらっしゃるお客様がいらっしゃいますがどうしますか、会社的には関係ないわけじゃないですよね、と。順序立てて、状況を可能な限り正確に。

 電話口がバタバタしてるのは電話越しに伝わった。

 何回か保留された後に、折り返します、それで一旦電話は途切れた。程なく電話が掛かり、お客様からATMのコールセンターに連絡してほしいと伝えてくれとのこと。メモ帳を取り出して番号をメモる。それを渡して自分の次の持ち場へ移動しようかと思ったが、このお客様のコミュニケーション能力に若干不安を覚えたのと、また一から状況説明しなきゃならないのは明白なので、私がそれをする必要はあるのかな、と感じた。受付時間が残り30分くらいだったので、最悪繋がらないことも考慮して。

 「今からATMのコルセンに連絡してみますのでもうしばらくお待ちください」

 コールセンターというのは大体ガイダンスがあり、このケースはどのメニューにもないイレギュラーだと思ったら案の定で、こういう場合は兎に角適当でもガイダンスを進めて誰か電話口に出させればいい。オペレーターに繋がったので再度説明。お客様から直接かけてもらう必要があるらしいので、担当者の名前とガイダンス番号を控えてそのメモを手渡す。こちらで対応してもらえますので、私も仕事に戻らなきゃならないので申し訳ないですが、と添えて。

 30分の遅れをそこから猛スピードで巻きに巻いた。安全運転の上で。スピード出して巻ける局面はごく僅かなので、ブツの扱いは若干荒くなったが止むを得ない。久し振りに走ったかな、息が上がった。何とか10分遅れくらいで終えて、まあ及第点。

 普段ならこれで上がりだが、これからSDカードを回収しに行かなきゃならない。翌日にしようかと思ったが、安物のドラレコに見合う低容量のSDしか挿してないので下手すると消えてしまうし、翌々日は休みだし。スクショを見てああココね、そんな遠くないし、で車庫で車を入れ替えて一服しながら向かった。増車で置き場所ないからって駐車場代(か交通費)ケチんなよ、とは思ったけど。民間の立体駐車場だったのでその辺に路駐して合鍵持って向かったが、まだ人の出入りがある時間帯で、なんか車上荒らしみてえだな、とは思った。まあ赤の他人にどう見えようが気にするタマではないけれど。

 夕食後、早速チェックしたのだけれど、事前に聞いていた道では何のトラブルもないように思えた。ドラレコ目線なので曲がった際とかは映像では判らないので、物音も拾わなきゃならない。人の動きや自転車の動きから推察されるトラブルも含めて、一から見直してようやくこれか、というのを突き止めたのが日付が変わる頃。翌日も現場なので、その動画を管理者が見れるファイル形式に変換してサーバーにぶん投げ、アドレス貼って取り敢えず寝た。

 疲れてるのに3時間程で目が覚めてしまう。そしてこの道、このサイズの車で突っ込んでったらそりゃなんかあるでしょって感じだったので、ストビュー確認しながら地図起こして迂回路のルート書き入れて、っていうのを朝食べながらやって、そのデータぶん投げて一応印刷して出勤。

 管理者は不在。まあ今朝の既読もつかないくらいだからね、来るわけねえし。午前の現場こなした後の昼休み半分潰して臨時雇いのドラさんに動画見せて説明して、迂回ルートの地図渡して、運転全般荒いトコ注意して。こんなん私の仕事じゃねえし、でもこの人飛んだら回んないしね。てか話す機会無かったし名前初めて聞いたし紹介すらされてないが、コミュニケーション取るとホッとした顔されるのがココの大概のパターン。理由は推して知るべし

 途中から、やたら目が乾くのと、体が重く感じるのと、生欠伸と。蕁麻疹まで出始めて痒くて気は散るし。こういう時は却って忙しい方が身体のスイッチが入るのだが、増車のおかげもあって物量控えめ。合間の待機時間には整備工場のケツ叩いて年末に押した車両整備の段取り。増車引き上げた後は普段と変わんないので私のコース的には何のメリットもなく。翌日は休み、無理矢理出力上げて何とかこなし、帰って飯食って薬放り込んで即落ち。

 管理者にしてみれば、ずっと自分がされてきた仕打ちへの腹癒せなんだろう、という想像はつくのだが、理解はしない。この時期にそうしてくるか、というのが限りなくウザいんで取り敢えず私の思考範囲からはしばらく消えてもらうことにした。要らない反応すれば思う壺だし、できることはやってやるし、前は抱え切れないくらいやってたことだし、その状況と比較すれば鼻ホジ。仕事中にBluetoothヘッドセットにヘルプコール来ないだけマシ

 そういえば、ATMのお客さんは警備会社駆け付け対応で事無きを得たと、業務連絡のついでに報告がありました。

 万事平和ならそれでいーんじゃねーの、均衡は人の影が常( ´_ゝ`)貴方ならどうしますか。


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