健やかな姿勢がもたらすもの

 唐突に大上段ですが(笑)。思う所があり年明けから姿勢の矯正に取り組んでいて「これは確かに成果が出ている」と感じる変化がありました。こんなに大事だったのかと。

イントロダクション

 きっかけは仕事における冬の防寒着としてBURTLEのダウンベストを買ったんですが、襟元辺りの収まりが悪いなあ、というものでした。そんな高いものでもないし、という片付け方だったんですが。「タートルネックが嫌い」という方は思い当たるかも。

 運転と荷捌きを仕事にしていると普通に一日終えれば疲れは溜まります。ただ寝ても覚めても抜けない。どうにかせんと、と思うわけで。私は更に寝付きも寝覚めも病的に悪く、どうにかならんか、と。

 些細な事ですが、自宅の洗面台の鏡が妻曰く「私仕様で配置しちゃった」。私がそこに立つと頭が見切れてしまう事に対する違和感がずっとあって、それをフレームの中に収めようというような、そんな影響もあったのかもしれません。子供の頃から私は基本的に姿勢が悪く、なで肩で、肩掛けカバンがずり落ちるのがコンプレックスで、その事を体が緊張で強張る冬場に殊更痛感したものでした。

 ある日、仕事の合間にちょっとストレッチをやっていたんですが、ああ、そういうことね、と腑に落ちたんです。頭の位置が「理想から」ずれている。理想とは、ヒトの進化の図解に出てくる近代人、です。私はああなっておらず、首が前傾してるように見える。それを意識的に矯正してみました。意識的な矯正とは「姿勢を筋力で補正する」という事です。

ボディーパーツの再配置

 私がやっている事は姿勢を「良くする」というよりは、身体の各パーツを本来あるべき位置に再配置する、という感覚に近いです。では具体論。立った時、肘を少し引きます。すると肩が後ろに下がり胸が張ります。肩甲骨を軽く寄せる感じです。そこで頭を「腰の真上」に置きます。そして肩をすくめて、ストンと落として力を抜く。これだけです。目線が数センチ上がった感じがします。※個人の感想です

姿勢の矯正の仕方 ©notevarie.com
姿勢の矯正の仕方 ©notevarie.com

 飽く迄意識任せなので、気付くと戻ります。戻ってることに気付いたらまた補正する、これを只管繰り返します。只管微調整。要はパーツの配置の問題なので、使ってない乃至は弱っている筋力に「正しく働きかける」事で脳が次第にその位置を記録します。プレファレンスにボディパーツの座標を置く、と言ったら良いですかね。

 「正しさ」さえ間違えなければ、ですが。

 ピン、と弓を張るようなイメージ、弓道の矢を引く所作でしょうか(経験は無い)。幼少時、母親に「姿勢が悪い!」と長い竹定規を背筋に沿って差し込まれた事を思い出しました。机に向かう姿勢って真逆なんですよね。この正した姿勢でストレッチをします。※以下はすべて「出来る範囲で」「痛みが出ない範囲で」が前提です。特に首まわりは、首単体で動かさず、肩・背中・腰と連動させる意識で。鞭打ち注意。

おすすめのストレッチの仕方 ©notevarie.com
おすすめのストレッチの仕方 ©notevarie.com

 使ってない部位への働き掛けなので。可動域は徐々に広がります。このストレッチは首まわりの逆動作で、体を反らす際に頭も反らす事で首まわりの可動域にアクセスします。どうしても「下へ前へ」となってしまうのを「上へ後ろへ」と意識を置くと、体って案外柔らかい事に気付きます。可動域を取り戻すと配置を記録し易くなります。二の腕の裏側を伸ばすストレッチも効果的です(コレ首は反らさない事軽く逝けます笑)。

 ストレッチなので、色々併せてやると効果的です。例えば首を倒すストレッチの場合、息を軽く吐きながら。首の回転運動は腰から上を緩め連れて動くように。腕を肩のラインから上に上げる動きも良いですね。し終えたら必ず肩を落とす動作を入れる。その際胸と肩のラインを平行に保つ事。実は、この「再配置」で一番変わったのは、頭や背中よりも腕の位置でした。肩のラインが決まると腕の位置も整いますが、その位置で腕を動かすと従来かなり前方に引っ張られていたことに気付きます。世界が変わった感じがしませんか?

再配置で自然に腕力アップ

 どういう事かというと、正しい腕の動作は背筋と連動します。つまり体幹に連なる腕となるわけです。重い物を持ってみても、ドライヤーで髪を乾かしてみてもいいです。背筋を使った動作になる事を「脳が理解する」これが大事なんです。腕が前方に逃げていると背筋は伸びた状態。腕と背筋が連動すると腕力が「上半身全体」のサポートを得ますので、筋トレなんてしなくても向上するんですね。私は仕事で物を持つとき腰で持ちます。腰が「力点として」作用するからです。

 頭を「腰の上に置く」のも同じ事です。正しい頭の位置が記録されると、首の力で頭を支えなくなります(乗っかってるだけ)。そうすると、肩の力が抜けますし、立っていて疲れなくなります。私は仕事柄車通勤なんですが、電車通勤でも鞄を持ち吊り革に掴まる姿勢が変わると思います(バランスを試される乗り物ですが)。

正しい姿勢で吊り革を掴む ©notevarie.com
正しい姿勢で吊り革を掴む ©notevarie.com

 立った状態でスマホを持つ姿勢も変わりました。胸を張る姿勢だと視線に合わせて自然と肘が上がります。ただ、なんとなく感づいてると思いますが、電車内でのスマホはあまりお薦めはしませんね。どうしたって視線は下がってしまうので。記憶にある、最後に乗った電車内の光景は、ほぼ全てのお客さんがスマホを凝視しているものでしたが、あまり良い事では無いという印象。※私は電車内ではスマホは「リスニング限定」ご参考まで

フォームを整える目的

 少し話は変わります。プロ野球のピッチャーが顕著な例ですが、彼らは投げ込みトレーニングを積む前に入念に投球フォームを確認します。昨年と同じようなフォームで投げられているか、どこか直したいならどう修正するか、細かくチェックします。指先のボールに如何に力を伝えられるかにおいて投げる姿勢が重要になってきますし、姿勢にズレがあると怪我の原因になります。150㎞/hを超えるボールを投げ続けるのは、鍛錬を積んだ上でもリスクが伴うという事です。

 加えて彼らは変化球を操ります。同じ動作で軌道の異なるボールが放たれるからバッターは打ち返すのに工夫が要るんです。私は野球に限らずプロスポーツの類は「曲芸技」だと思っているのですが、投げるにしろ打つにしろ、走るにしろ、滑るにしろ、飛ぶにしろ、蹴るにしろ、姿勢が歪んでいたらその動作に入る際に身体能力を十分に伝えることはできず、故にスポーツマンは姿勢が良い、が持論です。どこか痛めると選手寿命が縮むのは、庇う事で姿勢が崩れるからです。

 一般の方も同じだと思います。座って仕事をされる方が多数という理解ですが、例えばこういう状態だと効率は落ちませんか?

デスクワークで崩れた姿勢 ©notevarie.com
デスクワークで崩れた姿勢 ©notevarie.com

 私は昔ITエンジニアでしたが、年を重ねるごとに効率は悪化したという理解です。正しい姿勢なんて思考は微塵も無く、どう座れば腰が痛くならないかとか、ノートパソコンは便利だが見辛いとか、技能面は置き去りでひたすら「疲れない方法」に関心が奪われていました。疲労感に比例する残業時間、自然と集中力も落ちていきます。延いては不眠の症状を抱えるようになりました。精神的ストレスの蓄積では、という杓子定規に当て嵌める様な結論しか無かったんですが、故障を抱えたスポーツ選手と同じですね、今思えば。

休息に適う姿勢

 話を戻します。再配置がある程度整うと睡眠の質が上がりました。時折、ベッドの上では寝付けず、床の上に寝転がると良かったという事はあったんですがね。腰を痛めてはならないという観念から、腰のストレッチをしたまま眠ってしまうとか、ツボ押し器を腰に当てたままとか、ケアに過敏になっていた時期も。姿勢の悪さは腰に負担となる為、伸びている筈なのに腰が後ろに下がっているイメージが付き纏っていたんですが。それがまあ、矯正の結果として寝つきが格段に良くなりましたね。そして寝た時に枕が要らなくなりました、と言うより邪魔。枕の上に小さいクッションがないと眠れなかったくらいなんですが、今は頭の下はベッドのマットレスです。

理想的な寝姿 ©notevarie.com
理想的な寝姿 ©notevarie.com

 腰から背中、首そして頭に掛けて一本の線(背骨と頸椎)で整うと、そのまま寝転がるとスッと力が抜けます。すべての重さをベッドに預ける感覚です。ここでも肩と腕の位置は重要で、腕が図のような位置に配置されると腕も預けられます。手を組もうとか考えず、体ごと投げだすような感じです。腕は意外に重たいパーツなので、その力が抜けるかどうかは肝になります。目を瞑って思う事は「今夜も冷えるな(冬なので空気が)」くらいですね。なので布団の量も多めがお薦めで、布団の重みが脱力に効果的なんですよね。

 脳がリラックスを得たら後は睡魔を待つだけ。睡眠時間を確保したい時だけ一応導入剤を頓服で用いていますが、ごく偶にです。職場でも長椅子で仮眠が取れるようになり、私にとってこの変化は思っても見ない事でした。他に良くなった事は便通改善とか、仕事面では急がなくなりましたね(特に運転時)、体が動くので精神的なゆとりがあります。※すべての人に合うわけではありません。横向き寝じゃないと眠れない方や、柔らかいマットレスをお使いの場合等

リセット&リロードできる身体

 これらは「姿勢が立つ」矯正と言ったら良いですかね、脊柱起立筋が機能する状態。リラックスした立ち姿のモデルになったのは、実はお相撲さんの記念写真です。貴乃花関や稀勢の里関の印象ですかね(総じて皆さん綺麗に立てて居ますが)。BURTLEのダウンベストも襟元がフィットする様になりましたし。

 最後に些か退屈な事を書きます。日々の生活とは同じ事の繰り返しであり、再配置の座標を設定しておき、朝起きたら読み込むと体が立ち上がるという仕組みなら、それは再現性が高い矯正法なのかなと思います。ドライバー職として有る程度の疲労は織り込んだ上で、それが蓄積しない事が重要なのかな、と。生身の身体という消耗品においてはこれで終わりというわけでもなく、微調整は常に必要に感じますが。

 正しく使い続ける限りに於いて。健やかで長持ちすれば良いなと、そう思います。

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